大判例

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名古屋地方裁判所 平成10年(わ)311号

主文

被告人を懲役一年及び罰金一七〇〇万円に処する。

罰金を完納することができないときは、一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間懲役刑の執行を猶予する。

理由

(認定事実)

被告人は、名古屋市北区楠味鋺三丁目二七〇一番地所在のグレイス新伊勢山三〇三号に居住し、金融業を営んでいた。

第一  被告人は、自己の所得税を免れようと考え、ことさら過少な所得金額を記載した所得税確定申告書を作成して申告する方法により所得を秘匿したうえ、平成五年分の実際総所得金額が四四九九万七二七三円であったにもかかわらず、平成六年三月一四日、同市北区清水五丁目六番一六号所在の所轄名名古屋北税務署において、同税務署長に対し、平成五年分の総所得金額が三〇四万六五〇〇円でこれに対する所得税額が二六万一八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額一八三六万八五〇〇円と右申告税額との差額一八一〇万六七〇〇円を免れた。

第二  被告人は、自己の所得税を免れようと考え、ことさら過少な所得金額を記載した所得税確定申告書を作成して申告する方法により所得を秘匿したうえ、平成六年分の実際総所得金額が六七二一万六六二三円であったにもかかわらず、平成七年三月一四日、前記所轄名古屋北税務署において、同税務署長に対し、平成六年分の総所得金額が三〇〇万九五八〇円でこれに対する所得税額が二一万一四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額二七三六万六〇〇〇円と右申告税額との差額二七一五万四六〇〇円を免れた。

第三  被告人は、自己の所得税を免れようと考え、ことさら過少な所得金額を記載した所得税確定申告書を作成して申告する方法により所得を秘匿したうえ、平成七年分の実際総所得金額が五三一九万三四九七円であったにもかかわらず、平成八年三月一五日、前記所轄名古屋北税務署において、同税務所署長に対し、平成七年分の総所得金額が三二三万八五九一円でこれに対する所得税額が二一万九四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額二〇一三万四〇〇〇円と右申告税額との差額一九九一万四六〇〇円を免れた。

<証拠>

注・拳示した証拠に付した番号(例「乙二」「甲四」)は検察官証拠等関係カードの請求番号(「乙二号証」「甲四号証」)を示す。

全部の事実

一 被告人の

(1) 公判供述

(2) 検察官調書(乙二ないし六)

一 査察官調査所(甲四ないし七)

第一の事実

一 証明書(甲一、八)

第二の事実

一 証明書(甲二、九)

第三の事実

一 証明書(甲三、一〇)

(適用法条)

罰条(各犯行) 各所得税法二三八条一項、二項

刑種の選択 各懲役刑及び罰金刑(併科)

併合罪の処理 刑法四五条前段、懲役刑について同法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第二の罪の刑に法定の加重)、罰金刑について同法四八条二項

主刑 懲役一年及び罰金一七〇〇万円

労役場留置 刑法一八条(一〇万円を一日に換算)

懲役刑の執行猶予 刑法二五条一項(三年間猶予。情状-反省悔悟、前科前歴なし、修正申告、ほ脱した所得税の本税、重加算税、延滞税を納付済み、担当税理士が指導監督を誓約)

(裁判官 佐藤學)

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